長方形消去は一つの数字だけを使い、一つのブロックの形を手がかりに、そこから遠く離れたマスまで届く手筋です。名前は、この手筋を成り立たせる四マスの空の長方形に由来します。たいてい候補を一つ消し、それが行き詰まった盤面を動かすこともよくあります。
数字を一つ選び、ブロックを一つ見ます。そのブロック内でその数字が入りうる場所がすべて、ブロック内の一つの行と一つの列(十字形)の上にあるなら、その二本の線の外側にある四マスには、その数字は入りません。この四マスが空の長方形です。選んだ行と列が交わるマスがヒンジです。
ヒンジからは次の約束が得られます。このブロックのどこに数字が入っても、それはヒンジの行上かヒンジの列上のどちらかです。片方になければ、もう片方にあります。
次に、別の場所にある同じ数字の強リンクを足します。強リンクとは、その数字の入る場所が2か所だけ残っているユニットのことです。リンクの片端を、ブロックの外にあるヒンジの行上に置きます。もう片端はその端自身の線の上にあり、その線とヒンジの列が交わる場所がターゲットです。
もしターゲットがその数字なら、ブロック内のヒンジの列からその数字が消え、ブロック内ではヒンジの行に数字が決まります。すると強リンクの手前側の端が消えるので、遠い側の端が数字になり、遠い側の端はターゲットと同じ線上にあります。矛盾するので、ターゲットからその候補は消えます。
| リンクがヒンジの行に当たる場合 | リンクがヒンジの列に当たる場合 | |
|---|---|---|
| リンクの手前側 | ヒンジの行上、ブロックの外 | ヒンジの列上、ブロックの外 |
| 遠い側 | その端自身の行の上 | その端自身の列の上 |
| ターゲットのマス | その行とヒンジの列が交わるマス | その列とヒンジの行が交わるマス |
数字は5だけを見ます。解く人やソフトは、このパターンをエンプティレクタングル(Empty Rectangle)とも呼びます。片端がブロック全体になった、リンク二本のチェーンのように働きます。
ブロック8、つまり下段の中央のブロックから始めます。このブロックで5が入るのは、G4、G6、H5の三マスだけです。
十字を探します。G4とG6は行Gにあり、H5は列5にあるので、三つとも行Gか列5の上です。この二本が交わるG5がヒンジです(すでに9が入っています)。H4、H6、J4、J6には5が入りません。これが空の長方形です。
この十字から、ブロック内のリンクができます。G4とG6は行Gを共有していて、どちらが5でも同じ効果なので、一つのグループとして数えます。どちらも5でなければ、ブロック8の5はH5に入ります。これがG4+G6のグループとH5のあいだの強リンクです。
次に、列5で二つ目のリンクを探します。H5は列5に沿ってE5と見合っています。これは弱リンクで、両方が5にはなれません。行Eで5が入るのはE5とE9の二マスだけで、これは強リンクです。
つなげます。G4とG6が5でなければH5が5、するとE5はそうではなく、E9がそうです。どちらにしても、G4、G6、E9のどれかは必ず5です。ターゲットはG9です。ここは行GでG4とG6に、列9でE9に見合っています。この三つのどれが5を持っていても、G9には入りません。
結果は変更が一つだけ。G9から5が消えます。
長方形消去は中級テクニックの段で、チェーンに入る前の最後の単一数字パターンです。上級のクラシックナンプレで必要になり、止まった盤面を動かす一手の消去をよく与えてくれます。